bikejoring

犬と自転車

Photo by North Kanto Mushers Club
Photo by North Kanto Mushers Club

【Bikejoring】バイクジョアリング

犬ぞりの自転車版で犬ぞりのオフトレーニングとして始まる。ジョアリング(joring) はノルウェー語で引く、運転するという意味。ヨーロッパでは選手権大会も開かれるほどポピュラーなドッグスポーツです。日本でも小規模ですが各地でイベントが開かれています。自転車の代わりにスクーター(キックボード)でも可能です。

どんな犬種でもいいの?

ひとつの目安として体重15kg以上の犬ならどんな犬でもバイクジョアリングを楽しむことができます。もっと軽量な犬でも可能ですがドライバー(自転車に乗っている人)のアシスト(スタート時高負荷時のペダリングなど)が必要になります。

 

日本では犬ぞりのオフトレーニングの側面が大きいのでアラスカンハスキー、シベリアンハスキー、マラスカンマラミュートが多い印象。しかしバイクジョアリングだけ考えれば耐寒性や耐久性は重視されません。もっとスピードのある猟犬グループの犬が活躍しています。日本ではあまり馴染みがありませんがジャーマンショートヘアードポインターの独壇場ですね。チャンピオンシップを戦うのでなければ、ボーダーコリー 、レトリーバーなど走るのが好きで人間と活動するのが何よりも喜びとなる犬種が向いているようです。

 

私が参加したイベントではキャバリアやジャックラッセルテリアと楽しんでいる方も見かけました。


どんな道具が必要?

バイクジョアリングに必要な道具は、ハーネス、衝撃吸収リード(ライン)、自転車、アンテナ(スレッギー)が必要です。

またドライバーの装備(ヘルメット)や場合によって犬のケア用品なども必要になります。

 ほとんどの道具が簡単に入手可能ですが、問題はアンテナ・スレッギー(左の写真でハンドルの下から伸びているシルバーの金具)です。これはたるんだリードが前輪に絡まないように保持するための部品です。私は海外通販で購入しましたが、国内だとCanis Majorで取り扱っているようです。また自作している方も見かけます。

 海外の映像を見るとハードテイルMTBが一般的ですが、国内イベントの場合フラットな芝生の上がコースになることから、そこまで本格的な自転車が必ず必要なわけではありません。小径車で参加する方も多いですね。車で運ぶことを考えると折りたたみ自転車の選択は合理的なのでしょう。


楽しむ場所は?

バイクジョアリング競技ルールでは、犬の肉球を保護するために土、芝生などのフィールドが望ましいとされています。「ただし、コース設定上アスファルトや大粒の砂利道を使うのは問題がない」とあることから普段の練習でも短時間、短距離であれば舗装路でも構わないと思います。

 

私の場合は近所の河川敷にある管理道路やグランドを使っています。ただ広いグランドは先導する犬がどこに向かって走ればいいのか混乱してしまうので、できれば轍があったり、獣道のように周囲より踏み固められているなど幅の狭い道になっている方が向いています。

 

一般道でのバイクジョアリングについては、法律的に馬車や牛舎、人力車に当たる軽車両扱いになるのではないかと解釈していますが、往来のある一般道で行うのは危険です。ただし、全く交通量のない一般道で周囲の安全に気を使い練習するのは違法ではないと考えます。(片手運転で犬のリードを持って散歩するのはあきらかに違法です)


トレーニング

バイクジョアリングでは犬の行動をリードによって抑制することはできません。犬にハンドリングを委ねることになります。まずは散歩による歩行時にでもできる服従訓練をする必要があります。

 

普段は飼い主の左脇を歩くように教えられている犬が、飼い主をリードして走り出すにはそれなりの練習が必要かもしれません。普段散歩で使っているリードと、バイクジョアリングを楽しむ時のハーネスを変える事で「今日は走って引っ張っていいんだ!」とスイッチを切り替えられるようになるようです。また止まれ、右、左などのコマンドを普段の散歩から覚えさせる事も必要になります。

 

私は、これらが全くわからない状況で道具だけ揃えてとりあえずやってみました。その後、講習会、レースイベントとコマンドが入っていない状況で参加。

 

参考動画:バイクジョアリング練習

 

とにかく、ラインは常にピンと張っている状態であること。これを頭に入れてまずはやってみるのが大事だと思います。


イベントに出てみよう

準備ができたらイベントに出てみましょう。イベントに出ることによって他の情熱を持った愛好者と出会い、刺激になるでしょう。イベント参加により経験値も上がり、情報交換によっていろいろな知識も得られるでしょう。

 

イベントのコースはネットで仕切られたコースで、進行方向が犬にも伝わりやすくまだ経験の浅いコンビでも楽しく走れると思います。イベントによっては犬の呼び込みサポートが可能な場合もあります。

 

参考動画:はじめてのバイクジョアリングレース

参考記事:エントリークラスなら