10月に開催されたリバーサイドショー「wan-cro Test」に引き続き、「wan-cro(ワンクロ)」がバイクロアの正式種目として誕生しました。「wan-cro」とは犬と人間が共に走る「バイクジョアリング」と「カニクロス」を総称したバイクロア的な造語です。開催に関しては「イヌとはしる」が発起人となりサポートしました。
12月5日(土)
天気予報はあっさりハズれ前日夜から冷たい雨に見舞われた秋ヶ瀬の森バイクロア会場。前日コースチェックの時とは全く印象の異なる過酷なコースとなりました。ワンクロのスタートは15時20分。その前のプログラムで走っていたサイクリストは「直線でも転ぶ」、「田んぼみたいになっている」と口を揃えます。このようなコースに慣れているはずのサイクリストがそう言うのですから、普段芝生の公園をメインで走っている犬ぞりルーツの参加者は大丈夫かちょっと心配でした。
参加者が集まらなかったらどうしようと心配で言い出しっぺの私はバイクジョアリングとカニクロスのダブルエントリーしましたが、おかげさまで15チームもの参加がありました!バイクジョアリングを教えてくれた北関東マッシャーズクラブの方々やこのイベントで初挑戦の面々も揃い、会場も初めて見る競技に温かい声援を送ってくれました。
bikejoring
【ルール】1分間隔スタートのタイムアタックで前走者に追いついたら、追いついた方が優先。声をかけて追い抜きます。コースはフルコースで1周約2.5kmとなります。
私はこのあとに行われるカニクロスにもエントリーしているので一番最初にスタートさせてもらいました。(カニクロス用のハーネスをTシャツに下に仕込んでいます)
レース前にリンダが疲れないようにここまでクレート待機させていたのでテンションは高め。スタートコールと同時に勢いよく走り出しました。試走していなかった西洋庭園(キャンプエリア)の外周入口にちょっと戸惑いながらも快調に走ります。ただ、キャンプエリアから漂ってくる食べ物の匂いやコースサイドの声援にリンダがなかなか集中できません。織り込み済みでしたが「リンダー!」って名前呼ばれると流石にそっちにいきますね(笑)
何度かコースサイドの匂いポイントで立ち止まったり、あまりにも泥々のコースを嫌がって芝生に逃げたりと一心不乱に駆け抜けるって感じではありませんでしたが、後続に追いつかれる事なくなんとかフィニッシュ!
canicross
【ルール】マスドスタートで着順を競います。コースはバイクジョアリングと同じくフルコースで1周約2.5kmとなります。
カニクロスだと全く引っ張らなくなるリンダ。今回はバイクジョアリングで疲労していることもあって、一番後方からゆっくりスタート・・・のはずが、前に人がいると追いかける習性が爆発して一気に駆け出しました。西洋庭園を周るあたりではトップ争いを繰り広げるデッドヒート。リンダの牽引力が私の装着するカニクロス用ハーネスに伝わりお尻を激しくプッシュ。どんどんスピードが上がっていくのが心地よい。これってバイクジョアリングよりダイレクトに犬の頑張りが伝わってきて楽しいかも。ただ足場が悪い泥々エリアでは4本足駆動で重心も低い犬と2本足駆動で重心も高い人間の限界は全く違い、かなり怖い部分もありました。
カニクロスはまず人間の運動能力に差があると犬がいくら頑張っても勝負にならず、フライオーバー手前でトップは遠くに。前が離れるとリンダの意欲も下がりマイペースで走れると思いましたが、ここからゴールまで2位争いをすることとなり、限界まで追い込まれました。
雨でそれまでのレースもDNSが多かっただろうと思いますが、ワンクロに関してはDNSは1チームのみ。ほとんどの方が悪天候をものともせず相棒と共に厳しいコースに立ち向かいました。会場もそれを暖かく見守ってくれた事を本当に嬉しく思います。
私がバイクジョアリングやカニクロスって言葉を知ったのは1年ちょっと前。愛犬と一緒に自転車遊びができるなんて最高じゃないか!と試行錯誤しながらスタートして、あれよあれよとこんな素晴らしい環境でイベント開催に携わり、皆さんと楽しむ事ができました。これは新しく楽しいことに貪欲で、とてもオープンなマインドを持つバイクロアの協力がなければ成し遂げることは不可能だったことは言うまでもありません。大袈裟ではなく夢が叶った1日でした。この日立ち会った全ての人に感謝します。ありがとう!
そして「他のバイクロア会場でもやりましょう!」と言ってもらえました。コロナ禍でイベント開催自体が難しい状況ですが、開催の際にはまたお声がけさせていただきます。次はバイクジョアリングとカニクロス両方のタイムで競い合うKing of wan-cro (キング・オブ・ワンクロ) なんか企画したいな。それに向けてどっちも練習することを期待しています。何なら合同練習もありですね。とにかくまた会いましょう!